<2日目メルボルン〜ホバート〜クレイドルマウンテン>

朝メルボルン空港に着陸。
外はあいにくの雨だった。
タスマニアには日本からの直行便が無い為、普通はメルボルンかホバートから乗り継ぎの必要が有るのだ。
本来、乗り継ぎまでの時間が4時間以上有ったので時間をどう潰すか考えていたのだが、出発が遅れた為に到着も遅れて、大した待ち時間には感じなかった。良いのか悪いのか・・・。
また、タスマニア行きの飛行機は便名こそQF5029とカンタスのものだが、実際にはJET STARという子会社が経営している。
その為、カンタスのカウンターで乗り継ぎ手続きをするのでは無く、JET STARのカウンターで手続きをすることになるのだ。
元々はマイレージの関係で共同運航便であるJALの席に乗ろうとしていたのだが、このJET STARのチケットを買うには国際線はカンタスで入国しなければならないらしい。
国外からの旅行者には便宜を図らないらしいのがちょっとセコイか?
しかしカンタスの子会社なのにJET STARはカンタスのマイレージは付かないらしいので余計???で有る。
良くわからないシステムなんだよなあ〜。

凄く小さい飛行機
やっと搭乗時間が来て飛行機に乗り込むことになったが、なんと飛行機の小さい事!
席は早いもの順なので、せっかくだからと早めに乗り込んで眺めの良い席を確保する事に成功したのだった。
空からの眺めは雲が多いけど、牧歌的な感じがニュージーランドや北海道に似ている。
1時間ほどでホバート空港に到着。
天気は晴れだ。
さすが晴れ女にゃっち!?

空港内で予約してあるレンタカーを借りる為にハーツのカウンターに向かうことにした。
カウンターに行って見ると『カンタスのメインカウンターに来てください』との張り紙が有って人が居ない。
しかし、建物のどこを探してもカンタスのチケット売り場も搭乗口も無い。
「???」と2人で困っていると、地元の人が「何を探しているの?」と声を掛けて来る。
「カンタスのロビーはどこですか?」
と聞くと、建物の外の細い道を指差して「あの向こうに有るよ」と指を指して教えてくれた。
なんだよ〜。なんで建物自体が違うんだよ!
やっぱり変だよ、カンタスとJET STARの関係は!

細い通路を行くとカンタスのロビーが有った。
さあ〜国際免許証忘れても貸してもらえるのか?

「レンタカー借りたいんですけど。日本で予約しています」
リストの名前を見てうなずくハーツのおじさん。
用意を始めているおじさんに向かい声を掛けて見る。
「あの〜、それで日本に国際運転免許証忘れてきたんですけど・・・日本には有効な免許が有ります」
と、日本の免許証だけ差し出す。
すると「駄目ですね。これだけで貸す事は出来ません」との答えがあっさり帰って来る。
マ、マズイ・・・。

今度は一応IDカード代わりに持っていた期限切れのにゃっちの国際運転免許証を見せてみる。
「これならOK。でも君は運転しちゃ駄目だよ」
と念を押される。
「OKわかりました」
と、内心上手く行ったぜ〜、と思ったらハーツのおじさんが怪訝そうな顔をし始めた。
期限切れに気づいてしまったのだ(そりゃそうかもね)
「この国際免許は一年有効と書いてあるね。期限切れだからこれも無効だね」
ガ〜〜〜ン!!!!気づかれたあ
事態は最悪。
これは300km以上離れているクレイドルマウンテンまでバスかタクシーで行くしかないのか?
しかし路線バスは無く、タクシーだと幾ら掛かるんだ?大体向こうに行って行動できないじゃん・・・。
もう絶望的。

すると、ハーツのおじさんがどこかに電話し始めた。
どこに掛けているのか最初はわからなかったが何か方法が有るのかな・・・?
電話が終わると
「ホバートの町の中にジャパニーズ・ソリューションのkeika(本当はkeikoさん)という人物が居る。その人の所に行って日本の免許証を翻訳して貰いなさい。そうすればレンタカーを貸す事が出来るよ。今から行くか?」
何とそんな方法が有ったのか!
「勿論行きます!」と返事。
「もう午後だから急がないとマズイよ。クレイドルマウンテンまでは凄く遠いから。時間が無いからここまで戻ってこなくてもホバート市内のハーツ営業所で借りれば良いからね」
と言われる。
確かに夜になると道もわからないし、野生動物が道へ飛び出してくるので危険度が高い。
「じゃあ、タクシーを使うか?一緒にタクシー乗り場まで行ってあげるよ」
と何とやさしい事。
おじさんに着いていき、タクシー乗り場に着くと、タクシーの運転手にここまで行ってくれと説明してくれる。
タクシーの運ちゃんも「問題無いよ」と言って、2人はホバートの市内に向かう事になった。

20分ほど走っただろうか、ホバートの市内に入った。
結構都会で田舎の町を想像していたのとイメージが大分違うなあ。
そのうちタクシーは住宅地の中に入り、一軒の普通の家の前に止まった。
どうやらここが目的の場所らしい。
と、言っても普通の家にしか見えない。
玄関の方に近づくと、ドアが開いて日本人の女性が顔を出した。
「こんにちは〜」
と完璧な日本語だ。
彼女の名前はケイコさんと言って、オーストラリアの男性と7年前に結婚して現在ホバートに住んでいるとの事。
そこで国家資格を取り、翻訳文章を作成する仕事を在宅でやっているとの事だった。
「すみません、国際運転免許を日本に忘れてきてしまったらハーツの人がここに来るように言ったので・・」
と言うと、「大変でしたねえ〜。まず、上がって下さい」
と居間に通される。
「今からどこに行くんですか?」とケイコさん。
「クレイドルマウンテンです」と言うと
「ええ〜っ!遠いですね〜。じゃあ急ぎですね。すぐやりますから」
とすぐ作業に取り掛かってくれた。

しかし、空港に着いてすぐこちらに来たので両替をしていなかったのに気づく。
現金が無いと報酬も払えない。
「あの〜両替したいんですけど銀行って近くに有りますか?」
と聞くと、地図を描いてくれて説明してくれた。
「坂道が多いから大変ですよ」
と言われたが、にゃっちが
「山登りが趣味なので大丈夫です!」
と答えると「ああ〜そうなんですか〜」
とケイコさんは笑っていた。

外に出て銀行まで歩く。
街の雰囲気はやはりニュージーランドに似ているかな。
なんか平和な感じで住みやすそう。
ほどなく銀行に着き、両替を済ませて家に戻るともう文章は出来上がっていた。
お金を払おうと金額を聞くと$40との事。
しかし、銀行で両替した中には$10単位のお金は無かった。
ケイコさんも$10の持ち合わせが無いとの事。
「じゃあチップと言う事で取ってください」とRICKが言うと
「それは悪いですよ〜。ちょっと向かいの店に行って買い物してお釣りを作ってきます」
と言うケイコさん。
それでは悪いので考えた結果「車でハーツの営業所まで送ってもらえないですか?」
と聞くと。
「ええ〜良いですよ。そんなにガソリン代掛からないですけどね。じゃあだんなが子供を迎えに行っているのでちょっと待っていて貰えますか?」
と言う事で交渉成立。
待っている間に、いろいろな現地の話を聞くことが出来たので楽しかったです(^-^ )

1時間ほどして旦那さんが帰ってきて、送ってくれる事になった。
ケイコさんと家の前で別れ、旦那さんの運転する車でハーツへ。
旦那さんは日本に何年かいたらしく片言の日本語は喋れるらしい。
ハーツに着くと旦那さんが僕たちの荷物をトランクから降ろしてくれて、ハーツのカウンターまで行って手続きの補助までしてくれる。
う〜ん良い人だ。
ケイコさんが作ってくれた公式的な翻訳文書のおかげで無事レンタカーを借りることが出来て、旦那さんとも別れる。

さあ〜、いろいろ有ったがレンタカーを借りられたぞ!
クレドルマウンテンまでは約350km。
今の時間は午後5時を過ぎている。
多分、日没は9時過ぎだろう。
飛ばしていくぜ〜!!!
でも、その前に大型スーパーで食材の買い物をする必要も有る。
今日から3日間滞在するクレウドルマウンテン地区はスーパーもボトルショップ(酒屋)も無いらしいからね。
ちなみにオーストラリアではスーパーでアルコールを置いている所は殆ど見た事が無い。
酒は酒屋なのだ。
まず、ホバート市内のウールワースという全国規模のショッピングセンターに寄って食料を買い込む。
酒は行く道の途中のボトルショップに寄る事にした。
時間はすでに午後5時30分過ぎ。

食材を買い込み高速1号線に乗る(と、言っても日本で言うバイパスみたいな感じで無料。制限速度110km!)
一応、法定速度を守って110kmでクルージング。
途中道路脇に鳥が居て「今のカワセミに見えなかった?」「うん見えた見えた!」
と会話しながら進むが、止まっている暇は無い。
2時間ぐらいかけて北部の街ロンセストンの近くまで来た。
ここからショートカットして西へ方向を変え、今度はB52号という一般道路に出る。
そこからDELORAINEという街まで、一般道を100kmで進む(一応制限速度100kmですぅ)
DELORAINEのボトルショップでビールを沢山買い込み、すぐに出発。
陽が大分傾いてきて目に眩しい。

そこからさらに道は細くなるがペースは落とさない。
B12号線からC138に入ったらさらに細くなる。
(と、いっても日本の道路よりも走りやすいけど)
暗くなってきて山道に入った頃にワラビーやカンガルーが道路に出てくるようになった。
しかしペースは落とさない。
でも、絶対動物を轢くものかあ!と気合が入る。
すると道の真ん中に動く丸い物体が。
ハリモグラだ。
う〜ん変な動物・・・。
取り合えず通り過ぎるのを待ち、さらに進む。
しまいには峠道の連続を休み無しのハイペースで走ったのでにゃっちが酔ってしまった。
でも「気にせずこのペースで行って・・・」
と言う、にゃっち。
俺が免許忘れたからだ・・・申し訳ない(T−T)

若干ペースを落としながらやっとC132号線のクレイドルマウンテン道路の分岐に来た。
もう陽は殆ど落ちている。
分岐から7kmほど走ったらやっとクレイドルマウンテンホテルに着いた、
時間は午後9時15分
350kmを約3時間半で走った事になる。
制限速度で走ったにしてはちょっと計算が合わないかなあ?(^^;

ホテルのカウンターに着き「チェックインお願いします」と言うと、カウンターのスタッフが
「ロングドライブで疲れたのかい?」
とにゃっちを見て言う。
「とっても長くて疲れました」と答える2人。

その後部屋にチェックインして、シャワーを浴びてビールを呑みつつバルコニーで星空を眺めた。
星が凄く綺麗だ。
日本ではこれだけど夜空を見れるのは高山の上ぐらいだろう。
「今日は疲れたねえ〜。」
と、無事にクレイドルマウンテンに辿り着けたことを喜ぶ2人。
「終わってみればこういうハプニングは面白いかもね〜」
と楽天的?なRICKとにゃっちであった。

その後は疲れの為にすぐ爆睡しました。

※あまりに急いだ為にこの日は写真撮ってません。

<3日目へ続く>