北アルプス 剱岳登山記 <剱岳登頂編> 2007年9月19日 
※このページは画像が多いので凄く重いです・・・

朝4時30分起床。
とうとう剱岳山頂にアタックの日だ!
あたりはまだ暗いけど思った以上に明るかったので、歩き出す時間にはヘッドランプを使わないでも大丈夫そうだ。
軽く御飯を食べてから5:15分テント場を出発。

別山の稜線と月

朝陽が剱御前をオレンジ色に照らしている。

テント場からちょっと下って沢を渡り、緩やかな登りを行き剱山荘に5:40分到着。
5分休憩してから出発。
ここからが本格的な登りとなる。


剱山荘(けんざんそう)と一服剱、前剱

登り初めてすぐに有る岩場だけどなんてことは無い。


来た道を振り返る。あっというまに高度を稼いだ。

そして一服剱山頂に到達。
でも剱山荘から登り始めてまだ20分しか経ってない。
あれ?剱山荘→一服剱山頂=コースタイム1時間って書いて有るけど?
この地図のコースタイムが間違ってるらしい(^ ^;
まあ〜短い方に間違ってるのならば良いか・・・。

一服剱山頂で5分休んでから6:10分出発。

にゃっちは今から登る前剱に備えてストックを調整中

まず、武蔵のコルという所に一度降りてから前剱岳山頂に向けて登る。
この登りはザレててちょっと歩き辛いかな。
人が多いと結構事故なんか有りそう・・・・


大岩(まさにそのまんま)と言われる岩の間を通り抜けて

ひたすら岩の登山道を進みます。

そして7:00丁度に前剱山頂に到達。
一服剱から約50分でした。
ここには標識が有るのでとりあえず写真撮影。


前剱山頂 標高2813mです

そして15分ほど休憩して7:15分山頂を経つ。

そして少し下ると良く写真で見る『橋とトラバース」が有ります。
こうやって見るとかなり危なそうですが、実際は足場がしっかりしているのでさほど怖い事は有りません。
ただ、落ちたら只では済まないかな(^ ^;


前剱を降りてからのトラバース


渡ってる時に下をみるとこんな感じです。

後は岩場を楽しく上り下りして・・・・

やがて平蔵のコルという場所に降ります(名前は後で知った)
前のパーティーが随分ペースが遅いので追いついちゃいました。
でも、随分大きな荷物持ってるなあ・・・・
ここを縦走するにしては岩場に歩き方が慣れていないような気もするしどんな集団なんだろ?
ちょっと不思議に思いながらも、相手が休憩中に追い抜かさせてもらいました。



平蔵の頭を降りる

そして目の前に岩壁が現れる。
もうそろそろあの有名な難所『カニのタテバイ』のはずだ。
さて通過出来るかな〜?


上の方に人が登ってるのわかります?(ガスのせいも有って岩と同化してるけど・・・)

崖を登りながら撮影。

ちょっと急な崖なのでさすがに両手は離せないのでオートフォーカスにして片手で撮影。
岩場はボルトと鎖がしっかりしてるので難易度的には大したこと無い。
にゃっちもRICKの助けを借りずスタスタ登っていくしね。
登っている最中にレンズのフードが岩にカンカン当たるのがちょっと気になるが・・・・(^ ^;

崖の上に達した時に、丁度前を登っていた男性登山者に追いついた。
その時に
「あの〜カニのタテバイってもうすぐですかね?」
と、聞いてみると
「今のがタテバイですよ・・・」
との答えが・・・・。

「にゃ!?にゃにぃぃ〜〜〜!!!?」(# ̄Д ̄)

だって山のページとか本には垂直の壁って書いてるじゃん・・・・
これは垂直とは呼べないでしょ?
今までの崖はタテバイへのアプローチだと思い込んでたよ〜(T-T)
だから写真を撮ったのが上の一枚だけなのだ。
にゃっちも同じ様に思ってたらしい。
カニのタテバイとか看板立てて置いてくれよ〜!(実は有るのかな?)
にゃっちにカニポーズ撮って貰うって約束してたのに・・・・

下手こいた〜・・・・○/ ̄|_ (爆)

悔やんでもこの区間は一方通行なので、もう一度戻るわけにも行かず、仕方が無いので諦めました(T-T)
帰りの『カニのヨコバイ』でカニポーズしてもらうか・・・・

その後は、崖と言われるような箇所はなく、比較的歩きやすい道になった。
ちなみにタテバイの所要時間は約5分ほどです。

歩き易いと言ってもタテバイ後も岩場では有ります。

そして途中でブロッケン現象をまたもや見る。
もう毎回見てるので慣れっこになっちゃった(笑)

何故かいつも遭遇するブロッケン現象

そして・・・・
とうとう山頂に到達しました〜(^▽^)/

これで課題の一つを達成しました。
(と、言っても登山は帰りが一番危ないけど)
時間は8:35分。
前剱から休憩入れて1時間20分って感じですね。
剱沢からは休憩含んで3時間20分です。
渋滞が無ければこんなものなのかもね・・・・


剱岳(2999M)の山頂に無事到達!

心配していたガスも頂上部では晴れていて、雲海を見下ろすような感じです。
やはり晴れ女にゃっち!

山頂からの眺め。雲は流れていろいろな景色を見せてくれます。

バックの青いのは空では無く日本海です

そして剱岳の山頂で2ショット?何故お社に縄?

この山頂にある社ですが、なんでこんな縄で縛られているのかと言うと、今日が60年に一度と言われている社を交換する日で、今からヘリコプターで下界まで下ろすとの事です。
それでTV局の取材スタッフが数名来てました。
さっきの大きな荷物の集団はカメラ機材を抱えてたんですね〜。
謎が解けました(^ー゚)☆

山頂ではこんなに晴れてるから、すぐにヘリが来るだろうと思い待ってみることに。
しかし下界の天候が良くないらしく、なかなか来ません。
結局炎天下の中、一時間も待つ事になっちゃいました。
お陰で帰ってから日焼けで顔がボロボロになりました(^ ^;

でも、収穫は有りましたよ〜。
それがこの写真です。

にゃっちTVカメラマンに!?(笑)

待ち時間にTVスタッフに話しかけてみました。
「このカメラって幾らぐらいするんですか?重そうですよね〜?」
と話しかけたら「そうですね〜1000万円ぐらいですかね」
とのお答え。
さすが業務用ハイビジョンカメラ。
ロクヨン10台分かぁ(ロクヨンも趣味で使うにしては高いか・・・)
ちなみにレンズ、ボディーがCANON製でファインダーにはSONYと書いて有りました。
重さは三脚の方が辛かったそうです。

で、駄目元で「すみませんけど、一度ファインダー覗かせてもらって良いですか?」
と聞いたら「良いですよ〜」と快諾してくれました。
ここがズームで・・・と説明を受けて覗き込んでみてビックリしましたね〜。
なんと画面が白黒なんです!(# ̄Д ̄)
一眼デジカメのモニター以上の解像度だと思ってたからギャップにビックリ。
画素数も低そうだし良くコレでピント合わせ出来るなあ・・・・って言うのが正直な感想でした。

せっかくだからとにゃっちにも覗かさせてもらう。
それが上の写真です。
TVカメラマンも「めったに出来ない事でしょうから記念になるかも知れませんね」って言ってました。
確かに二度とないだろうな〜。

しかしその後も気流が安定しないのかヘリは飛んで来ませんでした。
ヘリが来た後だと、山頂にいると登山者が一斉に降りはじめるのはわかっていたので、名残惜しいが先に降りることにした。
渋滞は嫌じゃあ〜・・・。
9:45分なので一時間も山頂にいた事になります。

同じ様に渋滞を避けようと早めに出た男性登山者に追いつく。
この後は剱岳一番の難所と言われている『カニのヨコバイ』が待っているのだ。
でもなあ・・・行きのタテバイがあのぐらいじゃヨコバイもどうなのかね?」
と、にゃっちも早くも疑ってます。
そしていよいよ鎖が出てきました。
この先にヨコバイがあるはず・・・・

前の男性登山者に
「ここがヨコバイの入り口ですか?」と聞いてみるとそうだと言う。
男性登山者がヨコバイを通過するのを待ってから
「よ〜しにゃっち、今度は俺が先に行くからカニポーズ宜しく!!!」
とリクエストして先に取り付く。

で、大体の登山記に
『最初の一歩が見えないから鎖を掴んで足場を探す』
って書いてるんだよな〜。
と思いながら下を見てみると足場・・・見えるじゃん?
あれ???

ヨコバイ入り口から撮影。最初の1mから2mで落ちたら確かに只では済まないでしょうけどね・・・・

で、これだったら・・・・
と以下の方法で降りてみました。

この方が足場が見えるし、足場がしっかりしているから問題ないだろう・・・と思ったからです。
結局、この方法で楽勝にクリアー。
後続のにゃっちも同じ方法で僕の助けも要らずに簡単に取り付けました。

@座り込むようにまず右足を岩の出っ張りに乗せる(見ながら足を下ろせる筈です)
その時なるべくガニ股に足を着いたほうが後が楽です。


A足が着いたら右手で鎖を持ったままクルッと体の向きを反転させる。

反転しちゃえば後は余裕です。
2mも進めば落ちても怪我程度で済む高さになりますから。
※あくまでも自己責任でお願いします。事故を起こしても一切関知しませんよ!

ヨコバイ途中で待機してにゃっちにも来てもらいます。
そしてカニっとな(笑)

念願のカニポーズ!しかも両手離してるし・・・・(^ ^;

ヨコバイ終了〜

この後はこれまた怖いと評判のハシゴが有る。
なるほどこれね・・・

取り付きはこんな感じ

上から撮ってみた。

このハシゴは最初手前側のハシゴの足場に足を掛けて、その後ハシゴを跨ぐ様にすれば楽勝でしょう。
無理やり横の岩を伝って、後ろ向きに降りようとすると怖いんじゃないかなあ・・・・
取り付いてしまったらハシゴも新しく、『足場がくの字状』になっているので手がちゃんと引っかかるのでなんてことは無い。



にゃっちが降りてくる

ハシゴが終わると今度は鎖場が有る。
ここも足場がしっかりしているので特に難しいと言う事は無いかな。

ハシゴの後の鎖場

鎖場が終わるとトイレが有ります。
この時にはトイレの戸が壊れてました。
でも、ここからどうやって汚物を下まで降ろすんだろう???( ̄〜 ̄)


鎖場の下のトイレ

一応RICKだけトイレを済ます。
その後歩いて行くとこんな風景になります。
見た感じはヤバソウなんですけどね〜。



すると平蔵の頭という所が見えてきて登山者が見えました(上リ側)
う〜ん傍から見ると確かに「あんなとこ通れるかぁ〜!」
って言っちゃうだろうな・・・・
でも、実際歩いてるとわかんないもんだなあ・・・(笑)

こちらに向かってくる登山者なので今から降りる所です。
平蔵の頭の人と登山道わかりますか?と登山道は岩が白っぽくなっていますね。


平蔵の頭付近(?)

程なくして安定した場所を通ります。

今、登ってきた剱岳が見えます。

平蔵の頭を通過して今度は前剱岳に登り返します。
体力的にはここの登りが一番きつかったような記憶がしますが・・・

そして前剱岳の山頂は巻いて(下を素通り)さらに下山します。
するとこんな景色が・・・・

このカールの真ん中に僕らの居る剱沢キャンプ場が有ります。
しかし絶景ですね〜(^ー゚)☆


そして前剱の下りに差し掛かるんだけど、ここが一番気を付けない所かも知れません。
足場が悪いので落石の危険があるからです。
また、ザレていて足が安定しないので転び易いですね。
この景色の後ほど気をつけた方が良い所かも。

一服剱を越えてまもなく剱山荘到着!
時間は11:50分でした。
剱岳山頂から休憩入れて約2時間です。

とにかくお腹が空いたので剱山荘でRICKは山菜そば、にゃっちはおでんを食べる事に。
ビールはまだ我慢だなあ・・・・
食事待ちの最中に「今から剱岳に登りたいんだけど・・・」
と、山小屋の主人に相談している60歳代と見える夫婦が居た。

当然山小屋の主人は「慣れている人でも往復5〜6時間だ掛かるので無理です」
と説明してます。
おいおい・・・この夫婦達あまりにも無謀な考えでしょ(^ ^;
事前の下調べとかしてないのかな〜?夫婦で何を考えてるんでしょ?
当然この夫婦はここで一泊して明日登るようにしたみたいです。

これは特殊な例だと思ったんですが今度は電話で同じ様な説明をしています。
こういう人多いのかな〜。
山小屋の人もいちいち言うの大変だよな・・・( ̄〜 ̄)

中高年齢登山者の事故が増えてる原因を垣間見たような気がしました。
なんか最近では「保険に入ってるから何か有っても自分は大丈夫」だと言って無謀なスケジュールを立てている中高年齢登山者が増えているらしいけど、救助隊の人達も命掛けで助けに行くのだから、そういう問題じゃないと思う。
とにかく余裕を持った行動と下調べ、自分の技量を考えないと人に迷惑掛かりますから。
年齢を重ねた分、若者の見本になる様な行動してくださいね(自分も含めてね)

昼御飯後はテントに戻り、剱沢小屋まで行って缶ビールでカンパーイ!
とにかく無事に登頂出来た事をにゃっちと二人でお祝いしたのだ。
そして夕方までまったりと過ごして夜御飯を食べて、夜は更けていく。
今日はウルサイ人も居ないので快適に寝ることが出来ました。
※もっとも昼御飯の食べ過ぎ&ビールの飲みすぎで胃の調子が悪くなり、夕方指を突っ込んで吐くハメになったのは内緒・・・(^ ^;

ちなみにRICKはこの日が誕生日でした。
このロケーション最高でしょ?(^ー゚)☆



暮れ行く剱岳

※最終日に続く

準備、データー編 
9月17日 自宅〜雷鳥沢 

9月18日 雷鳥沢〜剱沢 

9月19日 剱沢〜剱岳〜剱沢 

9月20日 剱沢〜室堂〜自宅 


RICK PHOTO TOPページに戻る